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コキンメフクロウ 

少し前に、紹介の依頼をいただいていたフクロウをUPします。

いずれもフクロウ展示施設の鳥で、バックがイマイチですが、すみません。

コキンメフクロウ 学名:Athene noctua
この鳥は、ヨーロッパ、北アフリカ、アジアに生息する、体長25cm前後の小型のフクロウです。

一見地味な鳥ですが、この鳥はギリシア神話の女神アテーナの使いとされており、学名のうち属名"Athene" はアテーナに由来するとのことです。さらにローマ神話では、知恵と工芸を司る女神ミネルヴァがアテーナに対応する女神として崇拝されており、このミネルヴァの聖なる鳥も、このコキンメフクロウという、なかなかすごいフクロウなのです。(ウィキペディアほか参照」)

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フクロウは西洋では学芸の神様という性格がありますが、これは、女神アテーナやミネルヴァの知恵や学芸を司るという性格が基になっています。

有名なドイツの哲学者、ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルの言葉に、「ミネルヴァのフクロウは、黄昏どきに飛び立ち始める」があります。この意味は、世の中が終焉となる暗い黄昏時の時代に、新しい時代を創る考え方、思想、哲学、経済法則が生まれ、新しい時代を築いてゆく。との解釈があります。

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しかし、なぜこんな小さなフクロウが女神様の使いなんでしょうか。たとえば日本のアイヌでも、小さなコノハズクでなく巨大なシマフクロウがカムイなのに・・・ 

(と、こう書いたところ、ウマさんから次のコメントがありました。「フクロウを顕現体としたカムイは数種類あって、 その中にコノハズクを顕現体としたカムイもありますよ。 「ユクチカップカムイ」だったとおもいます。」 私も知りませんでした。もっと勉強せねば・・)


ここからは当園の社長の説ですが、

ギリシャの文明は、ヨーロッパ最古の文明の発祥地であるクレタ島の文明が基になっていますが、そのクレタ島のから出土した紀元前6世紀頃のフクロウの像に、立派な耳があったそうです。かつてこれをクレタ島の博物館で見た社長は、これはワシミミズクであると感じました。それはフクロウを飼育している者の直感でした。しかしギリシャ本土にはワシミミズクは生息せず、コキンメフクロウがいました。それで、文明がギリシャに伝わってゆくなかで、コキンメフクロウが代役として神の使いとなったのではないかと。本来の神の使いは雄大なワシミミズクであったのだろう。と、このように感じたそうです。

実際、大きく威厳のあるワシミミズクなら、神の使いが務まりそうです。こう考えると、何故ギリシャがコキンメフクロウなのか、すっきりします。

この、ワシ、猛禽に対する憧れは、このクレタ文明のさらに基になったエジプトの文明にまで遡り、エジプトには有名なハヤブサノ頭を持つ天空の神 ホルスがいます。天空を司る者、それは神の子の姿であり、そこから鳥(猛禽)に対する人類の憧れ、信仰が始まり、ゆくゆくはハプスブルク家などの双頭の鷲の紋章に繋がってゆくのではないかと社長は語ります。

これは裏づけのあるお話ではありませんが、裏づけのあるものだけが本当ではないし、説は説で楽しいではありませんか。一度エジプトからクレタ、ギリシャと追って、猛禽の文化遺跡を訪れてみたいと社長は語っていました。

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ケープワシミミズク 学名:Bubo capensis  
アフリカのケニア、ジンバブエなどに分布する、体長50cm以上になる大型のワシミミズク。


こういう話を知って、コキンメフクロウを見ると、また見え方も違ってきませんか。

なお、私の専門は鳥ではなく植物の花菖蒲の文化史で、この文章は付け焼刃&孫引きもいいところです。ご意見、補足、説などご存知でしたら、ご紹介いただければ幸いです。


コメント

ウマ 様

どうも有り難うございます。フクロウを顕現体としたカムイは数種類あるなんて全く知りませんでした。後でブログをちょっと書き直しておきます。やっぱりこういうこと、色々勉強した上で書かなければダメですね。花もそうですが、鳥も奥が深いです。貴重なご意見有り難うございました。

はせがわ絵馬様 テール様

コメント有り難うございます。
コキンメフクロウの紹介は、どうしてもこのミネルバのフクロウが付いてきますので、なかなか厄介でしたが、社長の説も面白いものでしたので、それと併せて書いてみました。ですが、基本的に鳥は詳しく知らないので、しっかり勉強しなければと感じております。

はじめまして
アイヌのカムイですが、フクロウを顕現体としたカムイは数種類あって、
その中にコノハズクを顕現体としたカムイもありますよ。
「ユクチカップカムイ」だったとおもいます。

社長様の説、興味深いです。

いつも楽しく拝見しております!
以前仕事でミネルヴァの絵を描いた事があるのですが、その時、彼女の腕に止まるフクロウを、ワシミミズクを参考にして描きました。…やはり大きなミミズクの方が絵になると言いますか、神様らしい威厳とか迫力が出せるかと思って。
私も鳥の専門家でもないし、歴史に詳しいわけでもありませんが、「いろいろな説があったほうが楽しい」というのは賛成です♪

コキンメフクロウのリクエストをした者です。
UPありがとうございます。嬉しいです!!
コキンメはみたいな容姿がとても可愛くて大好きです。

今日はこれから掛川花鳥園に行きます!
凄ーく楽しみです^^
レンカクの雛を見つけてみたいと思います。

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